2009年6月30日火曜日

移住「御三家」 (イジュウゴサンケ)

移住「御三家」 (イジュウゴサンケ)
-社会 -2008年1月27日
定年を迎えて、第2の人生を静かな農村などで過ごしたいと考えている団塊世代に人気の高い土地のベストスリー。1位は暖かくてリゾート気分を味わうことのできる「沖縄」、2位は広大な土地が広がる「北海道」、3位は都心からほどよい距離にある「信州」である。これらの地方以外においても、年金などの生活基盤をもち、なおかつ豊かな経験をもっている人たちを自分たちの自治体に迎えて活性化の切り札にしようと躍起である。内閣府が2005年に実施した世論調査では、農山漁村への定住を望んでいる人は約20%。都会と田舎を行き来して「週末地方生活」を行う「2地域居住者」が30年には1000万人を超えると国土交通省では試算している。

2009年6月25日木曜日

ニューツーリズム (にゅーつーりずむ)

ニューツーリズム (にゅーつーりずむ)
-社会 -2009年1月12日
従来の物見遊山的観光旅行に対して、テーマ性を強く打ち出し、人や自然とのふれ合いといった体験的要素を取り入れた新しい形の旅行。具体的には、エコツーリズム、グリーンツーリズム、ヘルスツーリズム、ロングステイなどが含まれる。つまり、従来の観光資源や観光施設に頼ることなく、地域の伝統産業や生活文化をそのまま旅行者に体験してもらったり、一緒に味わったり、見てもらうという形式の観光旅行。地域の自然環境やそれと密接に関連する風俗習慣等の生活文化を観光だからということで形を変えるのではなく、あるがままに観光する人に見てもらい、環境と経済を持続的に両立させていくことにつなげることが肝要である。エコツーリズムにおけるホエールウォッチングのような野生生物の観察ツアー、里山の植林や清掃などのボランティアツアー、そしてグリーンツーリズムの農山漁村において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型余暇活動など、さまざまなものがある。

2009年6月20日土曜日

園芸福祉 (えんげいふくし)

園芸福祉 (えんげいふくし)
-社会 -2009年4月30日
花や野菜などを育てて福祉に役立てること。園芸福祉活動は、家庭生活や地域交流から始まって、学校教育や生涯学習、都市整備、地域活性化などに広がり、さらには健康医療や介護・福祉、農地利用、農業生産などにも役立てることができる。つまり、家庭ばかりでなく、近隣コミュニティーや地域社会の中で、人々と交流しながら楽しい時間の過ごし方やそれを体感できる空間を作り上げていく活動。NPO法人の日本園芸福祉普及協会では、2003年から年1回「初級園芸福祉士」の認定試験を実施している。初級園芸福祉士養成講座は、園芸福祉を地域活動の中で実践的に活動していくために必要な知識やノウハウを習得し、地域に根付くための役割を担う人を養成するための講座である。協会所定の20~24時間のカリキュラムを修了すると認定試験の受験資格を得られる。園芸の基礎的な知識を身につけ、手入れしやすい植物を選んだり、高齢者が作業しやすくなる方法などをアドバイスすることができる。

2009年6月16日火曜日

企業訪問修学旅行 (きぎょうほうもんしゅうがくりょこう)

企業訪問修学旅行 (きぎょうほうもんしゅうがくりょこう)
-社会 -2008年4月11日
中学や高校の修学旅行における企業訪問。修学旅行をきっかけとして生徒が将来の参考にしたり、視野を広げることができるようにという意図を学校はもっている。先生が修学旅行を受け入れてくれる数十社の情報を生徒に提供。各班に分かれた生徒たちが自分たちの興味のある企業を選び、電話で予約を入れる。事前に質問事項を企業に伝えておいて、現場でその説明を聞くという流れである。修学旅行で企業訪問が増えている背景には、学校側の思惑だけでなく、企業側の積極的な売り込みもあるという。企業のイメージアップや自社製品のファン獲得、将来の優秀な人材雇用など狙いは様々であるが、修学旅行の行程の一部に自社を選んでもらえるように学校を訪問して積極的に働きかける企業もあるという。修学旅行の企業訪問で人気の高い業種はテレビ局や出版社。

2009年6月13日土曜日

樹木葬 (じゅもくそう)

樹木葬 (じゅもくそう)
-社会 -2008年1月23日
サクラやクスノキなどの木を植樹し、その下に骨をそのまま埋める埋葬方法。「自然に帰りたい」、「サクラの木の下で眠りたい」といった要望に応えて登場した。千葉県袖ヶ浦市にある曹洞宗の真光寺は2007年秋、境内の丘陵約1万平方メートルを造成して「里山葬墓苑森の苑」を完成。標高80メートルの山の斜面に1人当たり4.5平方メートルの個人区画を選んで土を掘って埋葬する。区画には目印になるように縦横18センチメートル、厚さ5センチメートルの墓碑を埋め込んで氏名を刻む。その区画内なら自分の好きな木を植えてもよい。東京都公園審議会は都立霊園の新規墓地供給と管理についての中間報告をまとめ、樹林などの敷地に遺骨を直接埋葬する「樹木葬」を採用した墓地の新設を07年11月に提言している。

2009年6月10日水曜日

生活景 (せいかつけい)

生活景 (せいかつけい)
-社会 -2008年3月19日
都市計画が専門の早稲田大学教授の後藤春彦による造語。「生活の営みが色濃くにじみ出た景観」という意味合いで使用している。下町の路地空間などがその典型とされる。後藤は、生活景はA→B→Cと順を追って変化していくのではなく、 A→(A+B)→(A+B+C)と層が重なるように変化していくものであり、そこに懐かしさが生まれることになる。昔ながらの風景や暮らし方に新しい要素が少しずつ加わり、それが少しずつ変わっていくことによって、今までにない価値が醸成されていく。ところが、バブル期のようにある一定の区画が再開発されて新しい高層ビルなどが建ってしまうと、そこには生活景は残らない。

2009年6月7日日曜日

森の幼稚園 (もりのようちえん)

森の幼稚園 (もりのようちえん)
-社会 -2008年2月3日
自然環境を保育の場として、特定の建物や囲われた敷地などのない幼稚園。50年ほど前にデンマークでこの考え方が始まり、その後、ドイツに伝わって、 1990年あたりから盛んとなり、現在では400以上の森の幼稚園があるという。森の入り口で子供は親から職員に預けられる。子供たちは職員に見守られながら、自由に森の中を駆けめぐる。もちろん、道草をすることも自由である。先生による本の朗読もお弁当を食べるのもすべて森の中で行われる。大きな木に苦労して登って、自分の場所をつくったり、木になっている果実を食べたりするのも自由である。もちろん、雨や雪の日もあり、子供1人では立ち向かえないような倒木などもあって、それに対して力を合わせて困難を乗り切るといったことも自然に学ぶことができる。日本では、デンマークやドイツのように年間を通して森で過ごすという例は少ないが、1~2週間、清里高原などで「ミニ森の幼稚園」を体験するような幼稚園も現れている。

2009年6月5日金曜日

自転車通行レーン (じてんしゃつうこうれーん)

自転車通行レーン (じてんしゃつうこうれーん)
-社会 -2008年4月20日

道路交通法は「自転車は原則として車道を走らねばならない」と定めているが、これまでは車道を自転車が走ろうとしても専用レーンが設けられておらず極めて危険な状況となるために、歩道を走行することが黙認されたり、あるいは歩道を走るように指導されたりすることも少なくなかった。そのために歩道を走る自転車が歩行者とぶつかるという事故が近年増えており、2006年の自転車と歩行者の衝突事故は2767件となっている。この10年間では4.8倍に増え死亡者も出ている。国土交通省と警察庁は08年度から国による自転車通行ゾーンの本格整備に乗り出すことを明らかにしている。08年度から2年間は、東京都江東区、仙台、名古屋、岡山、高松各市など100地区をモデル地区として、300億円を投じて約200キロメートルを整備する。モデル地区では一般道の車線を減らして左端を自転車道や自転車レーンにしたり、歩道を植え込みで区切って自転車専用スペースを設けたりする予定。モデル地区1か所の整備費は数千万~2億円で、地方道の整備には地方自治体に補助金や交付金を出すことにしている。

2009年6月1日月曜日

土木遺産 (どぼくいさん)

土木遺産 (どぼくいさん)
-社会 -2008年3月13日
土木学会が2000年に創設したもので、幕末から昭和20年代までに作られた土木施設の中で、現存しているものを「近代土木遺産」と名付け、そのうちでも特に価値が高く貴重なものを「選奨土木遺産」として、毎年10件程度認定し表彰している。選奨土木遺産には、今後良好に保存されれば、将来的には、国の重要文化財として指定される可能性があるものも多く含まれている。土木学会としてはこうした「選奨土木遺産」を認定する目的として、「土木遺産の文化的価値の評価、社会への理解を訴えることによる社会へのアピール」、「先輩技術者の仕事への敬意、将来の文化財創出への認識と責任の自覚等の喚起による土木技術者へのアピール」、「地域の自然や歴史、文化を中心とした地域資産の核となるものであると認識することによるまちづくりへの活用」、「失われる恐れのある土木遺産の救済」などがあるとしている。これまでに全国で137件が認定を受けている。